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不動産売買の意思表示

Posted by ちはる on 2月 25th, 2013 under 住まい Tags: ,  •  コメントは受け付けていません。

 Aという男と、Bという男がいた。Aは資金繰りに困り、税金を滞納していた。このままでは、所有している不動産を差し押さえられてしまう。そこでBに相談し、一時的にBに不動産を預けることにした。預けるといっても、それは口約束だけであって、書面上では売買契約を結ぶ。所有権移転登記も完了させた。これで事実上、Aの不動産はBのものになったわけである。
 Bはほとぼりが冷めたらAに登記を戻すつもりだった。しかし気が変わった。Aの土地を売り払い、金儲けをしたくなった。そこでBは、Aの土地をCに売り捌いた。Aは怒った。あれは本当に売りたかったわけじゃない、ウソなんだ、共謀なんだ。だから不動産を返せと怒鳴り散らした。この場合、不動産を返して貰えるのか? 答えはノーである。
 取引には意思表示がある。この意思表示にウソがある場合、その取引は無効になる。仮にこれがAとBだけの取引であれば、例え書面を作成していたとは言え、売買の意思はなかったのだろうから、無効だろう。しかし現在不動産の権利を持つCは、ウソの取引があったことなど知らなかった。知らなかったことを善意という。知っていた場合は、悪意だ。善意の場合は、不動産を返して貰えないのである。これは、何も知らなかった第三者を保護するための法律だ。悪いことはするもんじゃないなぁと思う。値段がいくらなのかは知らないけど、それで不動産をひとつ失っているわけだから。だけど馬鹿みたいに税金を払ってもいられないんだろうなぁ。
私ならもっと上手くやる。もっと巧みに、法律の穴をかい潜る。人間の隅にもおけない奴である。